« 甲鉄城のカバネリ 海門決戦 | トップページ

2019年6月 5日 (水)

映画 刀剣乱舞


※初見の感想です

※この記事にはネタバレが含まれています


オンラインゲーム開始時に刀剣男士の姿を拝見し、好きだ~となりつつ、入り込んだのは基本ほっこり日常を描いたアニメ「刀剣乱舞―花丸―」からでした。そこからおおよその流れでいうと、、

ヌードルストッパーくじ→

コラボカフェ(刀剣茶寮)→

コラボナイターの様子をニュースで見る→

からのミュージカル気になる→

映画鑑賞→

刀剣鑑賞←今ここ


知っているけれど詳しいわけでもない…といった感じでしょうか?色々見たり聞いたり教えてもらったりしながら、ファン…もとい審神者によって膨らむ世界観に奥深いな~と感嘆している最中です。

とはいえ、映画を観るにあたっては、いち映画好きとして観に行きました。なので感想もファン寄りというよりは、そういった視点で書いております。ゆえに素晴らしいところは素晴らしい、そうでないところがあるとしたらそうではないといった調子です。でも、作り手が真剣に取り組んだな…と感じられる作品についてはこちらも(良し悪し含め)綴ることが一番の礼儀だと私は考えているので、今回も

冒頭数分、大河ドラマのような印象を持ちました。建物の雰囲気、兵の装い、出演者等々期待していた通りの迫力ある描写で魅せ方も素晴らしい。そして意外にもリアル描写の中での時間逆行軍の恐ろしい雰囲気が良かったのですよね。私はヒーローが際立つのは敵役によるところも大きいと思っているので、これは期待できるなと興奮しました。

そうした中での男士たちの印象ですが、、、正直、最初は強調され過ぎて見えてしまいました。全体的に色調調整の無いそのままの背景に見える中にあって男士のまとう衣装や頭髪の濃い色味が強く見え過ぎているような。デザインや作りは素晴らしかったのですけれども。あえてそうしたのかもしれないけれど、私個人の考えとしてはもう少し淡い感じにするか、もしくは背景やら全体の色調を調整してもよかったのかもなと(北野ブルーの感じとか木々の色をにじませるとか)。だからなのか、日本号様のあっさりとしたグレーの内番衣装がとても自然に見えましたね。

あと同じような意味でいうと、お社のお狐さまの雰囲気も可愛いらしすぎるかなと(こういう出演じゃなければ本当に可愛いのですけれども)。つまり、1つ1つは素敵だけれど、大河ドラマのような実写の中の2次元的要素─それをどう捉えるか、、それは個々の好みかもしれないと思いました。あえて現実過ぎないようにしているのかなとも感じられたので。

と、見た目に関してはこんな印象を受けたのですが、出演者の演技に関しては皆さん素晴らしかったです(それを受け違和感も解消)。


織田信長役の山本耕史さんの肩の動かし方や目線の配り方、羽柴秀吉役の八嶋智人さんの明暗含む演技等々……。出演場面が多い少ないに限らず皆さん本当に良かったですね。

そして男士。登場した際の違和感を打ち消してくれたのは彼らの真剣な演技に他なりません。お若いのに達観した様子とか、なかなか普段使わないであろう言葉遣いの発し方とかも様になっていて、おどけたり気をゆるめたりの具合も良かったです。さらに、審神者役の方の静かだけれど圧倒的存在感やお声の美しさも大変素晴らしく、三日月様との会話をいつまでも聞いていたいと思いました。

で、その三日月宗近様。

いや~鈴木拡樹さんが三日月様を演ずるのは必然だったと思わせる名演でした。凛々しくもありたおやかでもあり、儚げで強くもありほっこりした雰囲気も…無限。

舞台からということで(そちらは見たことないのですけど)研鑽を積んで満を持しての今という感じ。何かのインタビュー記事にて舞台と映像での表現の違いを語られていましたけど、所作とか全てにおいて気を配られてもいたようで、そういう努力が自然と滲み出ていましたね。目線の配り方も凄くて、審神者との別れの際のギリギリまで姿を見つめようとする姿は、それだけで彼がいかに審神者を思っていたかが感じられ息をのみました。そして何人も触れられない雰囲気をまとっているからこそ傷つく姿の衝撃も大きかったです(回復薬のポーションをふくむ姿の美しさよ……)。

ちなみにもしこの三日月様と私が実際に対峙したとしたら、同じ空間にいていい存在ではないなと妄想ですらしょんぼりしてしまいました。。


1人1人についての印象も少し。

山姥切国広様-荒牧慶彦-

布を被っているので殺陣ではきっと大変な思いをされただろうと想像。けれどもその布をも魅力にする演技力。写しということだからか常に影を感じさせる表情をされてました。

薬研藤四郎-北村諒-

不思議な存在感。大きな瞳をされているからこそ表情のインパクトが強く、きちんとした演技でないとブレを感じてしまいそうなのにそれもなかったです。衣装デザインから幼く見えそうだけど演技力で打ち消し。

へし切長谷部-和田雅成-

耐時間遡行軍のスペシャリスト感。主命を果たすという意思の強さが終始感じられました。常に厳しさがあったからこそ三日月を助けに来た際の安心感が凄かったです。花丸の印象とはだいぶ違うキリッと感。

日本号-岩永洋昭さん-

素晴らしい日本号でした。力強さと(色気と)おどけた姿のバランスが特に良かったです。頼れる兄貴であり大黒柱のような雰囲気も。衣装も似合っていましたね。槍の扱いの迫力も。

骨喰藤四郎-定本楓馬-

記憶を失っているので役を作りすぎず~とパンフレットにておっしゃられていた通り初々しい感じがよく出ていました。そして見た目の儚げ感。う~ん美しい。知ろう、知りたいという姿勢が見えたのも良かったです。

不動行光-椎名鯛造-

大変難しい役柄だと思います。愛された過去を大切な宝物のように心に抱いている様子が垣間見られて泣けました。ストーリー的にとても辛い役柄。普段ちゃらっとしてる感じを出しているからこそ反動が大きい。上手く表現されていました。

鶯丸-廣瀬智紀-

よくぞここまで鶯丸の雰囲気、刀剣男士の雰囲気を出してくださったなと。やり過ぎるとわざとらしさが出そうなのに、ホントに上手に醸し出されてましたね。なりきるとはまさにこのこと。(個人的に衣装のポンポンがスキ)

無銘・倶利伽羅江-土屋神葉-

刀剣乱舞シリーズには出ていない男士とのこと。なかなか斬新なストーリーの組み立ての中、演ずるのは難しかったのではないでしょうか。刀の姿が映るシーンはやはり切ないものがあり、だからこそ彼が姿を露にした時の雰囲気のまっすぐさが清々しく、仲間になったことも1つの救いのように思いました。

ざっと印象を記しましたけど、皆様個性があり魅力的でした。



ストーリーについても…の前に、、私は伏線考察とか苦手でして(歴史にもうとい)なので難しいことは語れませんです。それをふまえた上での感想。


よく練り上げられていて、そして結構シビアでした。

タイトルからして花丸のようなわけにはいかないよな~と自覚しつつ、こういうまとめ方はやっぱりストーリーを作り上げる力量のある方が書けるものだろうなとも。強弱、静動の巧みさ。とはいえ、身内同士でのいざこざ、仲間割れの話しは少々安易だったようにも。三日月様がかなり孤立されていたように感じられたので、もっと男士たちは相手の心をくみ取る力があるはずなのでは?と、違和感を感じたのも確か(特に長谷部のイライラ感が…それともデフォなのかな?)。でもまあその流れが後半の大いなる救いを強めたようにも。

あと、この世界観だからこそというのか、男士それぞれにそれぞれの記憶があるとして、それが自己のみで完結しないことに(歴史のただ中にあるといった感じ)彼らの特殊性を感じました。特に、長い長い年月を過ごしたがゆえ多くの記憶を持つ三日月様を思うと切なくなりましたね(あのほんわか雰囲気には平安の世を知っているという他に達観という要素も含まれているのかもしれないな……)。

それに関連して心打たれる名シーンも幾つかありました。

印象的だったのは欄丸様と不動行光の関係性。これは見ていて辛かったですね。…きっと不動は欄丸様がいつもどんな思いで自分を所持していたか感じ取っていただろうし、別れを感じさせるシーンによって彼らは刀剣なんだ─様々な出来事を見てきたんだ─と改めて教えられたなと。なので、やはり三日月様にも繋がり、ゆえにあらゆるものの儚さを知るその表現に小さな草花を用いたことはとても心に残り切なくしみるシーンでした(あれ?書きながら目から水が)。

花…というと、桜の花びらのインパクトも強かったですね(ゲーム由来ですよね)。舞うスピードの違いによってその場の様子を柔らかくも厳しくもするという演出の妙。

全体の印象としては、少人数の男士でこれだけ物語が壮大になるのだから、ほんとに刀の歴史は奥深いですし、無限の可能性を感じました。


気になったことも幾つか。

小林靖子さんは刀剣乱舞の世界に女性を~という意図で可愛らしい女の子を登場させたらしいのですけど、私はその辺りを深く考えたことがなかったなと。この世界観に参加する割合の多さということでの登場なのか、他に意図があるのか。まあ男性のみ、女性のみの世界があっても別にいいか、な。

で、実は一番気になったのが時間遡行軍が登場する際の効果音の大きさでした。私が耳が弱いというのもあるでしょうけど、それにしても大きかった(映画館によるのかな?)恐ろしさを表現したかったのは理解できるのですけど。

それとエンディング曲ですが、参加されている面々は大変贅沢なんですけど、本編が静かに終わる感じだったので静かなインストゥルメンタルでも良かったかもです(個人的見解)。


ということで、気になる箇所は幾つかありましたけど、人気ゲームを基盤にしているからこそ難しい部分が沢山あるのではないかなと。ゲームやアニメ、舞台等のイメージがある中での実写映像化とか、知ってる人も知らない人も見て楽しめるようにするとか。そういった点ではなかなかよくできていたと思います。

初見なので何度か見るとまた印象も変わるかもですが、今のところはこんな感じです。


実写化というのは本当に色々と難しいとも思うのですが、予想以上によくできていてほっとしました。…それはやっぱり演者と製作陣の熱意が伝わってきたのも大きかったですね。大河を感じさせるスケールの大きさも良かったです。続編~というか、この雰囲気なら様々なストーリーでいけるかもしれないという…やはり無限の可能性を感じずにはいられないのでした。


Img_20190605_163143

パンフレット

ん?ぬくぬくスペースからおもちちゃんが出てきて、る?

「もち、もち、もち」

« 甲鉄城のカバネリ 海門決戦 | トップページ

邦画」カテゴリの記事