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2019年5月

2019年5月14日 (火)

甲鉄城のカバネリ 海門決戦

※ネタバレを含む感想となっています

 

 

 

まず初めに、観賞後の興奮のまま感想を述べると……

 

親が子を思う姿に泣かずにはいられませんでした。
見終えた後も思い出しては泣けてきて、これを書いている今もやっぱり泣けてきます。多分私はこれからも父親がとったあの行動を思い出すたびに泣けてくるんだろうな…と思います。それくらい本当に胸を打たれるシーンでした。

 

それにしても、、カバネってなんなのでしょうね?発生の謎というよりも、生駒と親友の逞生との会話から、カバネがただの動く屍ではなくどこかで恐怖や痛みを感じているのだとしたら…それはもう悲しすぎますよ。ゾンビが出る他の作品でも考えることはあるけれどこの作品はカバネ化前の姿をよく出すので特に、人間だった頃に思いを馳せて辛い気持ちになります。。

 

 

ここからは心落ち着かせての感想。

 

まずこの作品の最新作が見られることに感謝の気持ちが湧きました。次々に新しい作品が登場する日本アニメの中にあって、いったん終わりを迎えた作品での映像の続きってなかなか見られなかったりするので。なので3年の時を経て変わらぬメンバーの、いい意味での変わらぬ姿に(来栖、特に君だ)ああ、また会えた~と嬉しくなりました。
とはいえ、彼らの生きる世界の過酷さは相変わらずでしたけれども…というかさらに過酷さが増しているようにも感じましたけれども。映し出された映像からしても舞台となっている日ノ本のあちこちで生き残った人々が闘っているようで、いつか本当に平穏な時代は来るのか?到底そうは思えないんだけど?と、無尽蔵にカバネが増えてみえることにちょっと絶望的な気持ちにもなりましたね。で、そうした中でふと今回の映画を観て気付いたのですけど、、、首を圧迫して正気を保つことが生駒以外でもできるのならば、まずその事実を広げていくべきではないのかなと思いました。そうすればあの、装甲機関車に取り付いた無尽蔵のカバネを見て「(絶望しかねえよ……)」と思わずに済んだかも。

 

さて、ストーリーに関して。

 

とてもよくまとまっていたと思います。カバネリにまつわるもう1つの悲劇。父の娘への愛情。その父娘を思う部下の悲しさ…その様子が異様な雰囲気の要塞と共に素晴らしい力量で描かれていました。

 

ただ、前半はなんというか気になる部分が幾つかあって…それは例えば恋愛要素が強めだったり、無名(穂積)ちゃんのサービスショットなのかな?と感じる部分がやたらとあったり(というかあんなにお胸強調衣装だったか)、小さい人物の描き方がやはりちょっと雑かもだったり。私個人としてはうーんだったのですけど、後半に向かうにつれ神がかり的なシーンが続出しだすとそちらに神経がいき、スタッフの皆さんの本気に絶句させられっぱなしになったので、まあ賛否入り交じっていた感じでしょうか。

 

で、そうした印象についてアニメージュ6月号の監督のコメントを読んで合点がいったのですけど、、
監督にとってはカバネリという作品の魅力の中心は「無名」だそうで(きっとそうした人が大多数なんでしょうけど)私はそれが「生駒」なんですよね。なので根本的に違っていたわけです。無名の可愛いさに力を入れ、デレの部分もお待たせしました…的なことを語る監督とはそりゃ合わない部分も出てくるわけで。その他にも‘とにかくエンタテインメントしよう、サービスに徹しよう’という考えも、ファンのことを思ってくれることは大変ありがたいのですけれども、観点がずれてしまうとうーん?と引っ掛かる部分に繋がってしまうので難しいなと。
その引っ掛かった部分というのがエンディング。ちょっと陽気すぎた…かも。甲鉄メンバーが幸せそうにしている姿は嬉しいけれど、私は地上波の静かなエンディングがとても好きだったので(あと静かな方が余韻に浸れる)。パンフレットにてエンディングをああした意味は理解できましたが(そして納得)。あと、欲を言うと父と娘の直の交流ももう一度見たかったです。子供なので人間姿の最後の様子はあえて描かなかったのかもですが(雪の表現は素晴らしかったけれど)もう一度抱き締めてあげてほしかったな。。。。

 

話しを戻して、気になった恋愛的要素ですが正確にいうと全てが引っ掛かったわけではなく菖蒲様と来栖の二人は全力で応援できました。甲鉄城を動かす侑那と巣刈もお似合いだと素直に思えたのも事実(侑那の脱衣姿は格好いいし巣刈の計算能力&行動力も素敵だったさ)。じゃあなぜ生駒と無名は引っ掛かったのかというと、生駒が無名に妹を重ねているからなんですね。近親感情云々じゃなくて、後々この二人は共に生きていくだろうと分かっていてももう少しだけ生駒に妹のことを考えさせてあげたかったなと。ちなみにその辺りは生駒役の畠中祐さんもパンフレットにてバッサリ意見してて(こんな状況のときに恋愛なんか的な)それを無名役の千本木彩花さんが色々かばってらして、その様子が映画内の二人そのものだったことになんだかほっこり。でもまあ、ラストの無名のとんでも行動によって生駒は多分目覚めちゃったでしょうから…ああなったらもう皆が幸せになってくれればいいのか、な。

 

ちょっと辛口になってしまいましたけど、全体としてはとてもよく描かれていたのであしからず。

 

そのよく描かれていた…絶句させられた名シーンの1つをあげると、装甲機関車が奪われるシーン。先にも書いた通り群がるカバネ達の姿に、言葉は悪いのですけど「(絶望しかねえよ……)」と呆然と呟いてしまいました。それしか思えないほど凄まじいシーンでした。でも凄いのは、その絶望しか感じられなかったところから、いつの間にか甲鉄城のメンバーを中心として希望が芽生え始めることなんですよね。思えばこのメンバー全員の強さと明るさにどれだけ救われてきたことか(食べ物を守ろうとする細かい演出も良かった)。1人1人がちゃんと動いてラストへと繋がるシーンは改めて皆のことが好きだと思いました。

 

で、ちょっと振り返り。

 

テレビ地上波で放送された総集編を見て、どこが優しさを感じるんだ⁉(東京ウサギで書いた以前の感想記事にて)と思ったのですけど、最後の最後で正気を取り戻した景之と雲母の様子から、やっぱりどこか優しい作品だと思えたのは良かったです。他にも、無名と景之の娘である深雪の精神の交流にしても、生駒と無名の中に生きる大切な存在をふと感じるのも(美馬様生きててほしいけど……ムリカ)凄まじい残酷さの中に時おり光る粒子のごとき存在する救い、それが、私がやっぱりこの作品に惹き付けられる理由の1つなのだと改めて思いました。

 

ストーリー以外の全体の印象も。

 

背景が終始高クオリティで感動しました。素晴らしすぎ。海門のランダムだったり高低さがあったりする建物の様子を違和感なく描いていたところが特に凄かったです。最終舞台である城内や坑道のおどろおどろしい雰囲気も怖かったですし、それとは全く別の自然の柔らかい風景も素晴らしいものでした(背景画展とか開催されないかな)。
人物も小さい描写はあれでしたけど全体としては美しく、激しいアクションシーンの細かな動きは驚嘆させられっぱなしでした(生駒が怪物に連射する演出も鳥肌もの)。

 

音響に関してはやっぱり映画館で聞くとたまらない迫力を味わえますよね。私は耳が弱い方なのでガチャガチャしてると苦痛に感じてしまうのですけどそれも皆無。声優さん達も皆様持ち味を発揮していて素晴らしかったです(生駒役の畠中さんは喉が心配になるほどの迫力)。そうした中、景之役の三木眞一郎さんは声質といい感情の乗せ方といい上手いの一言。うなりました(観賞後パンフレットで三木氏と知りガンダム00のロックオンだよと興奮)。

 

そして音楽は澤野弘之さんですよ。私はこの方天才だと思ってるんですけれども、主張しながらも本編を邪魔せずむしろ盛り上げるメロディにやはり感動しっぱなしでした。パンフで語っていたように相当なスケールがありましたね。ただ、ただ、、、もう1つ欲を言うと「ninelie」はAimerさんのものが聞きたかったです(実はそこを結構楽しみにしていた)もしくはアニメの英語verか。Aimerさんの声もカバネリを作り上げる1つの大きな要素だと私は思っているので。

 

というわけで、あれこれ述べましたけれども名作であることは間違いない作品です。

 

再び甲鉄城の世界を見られたことに感謝。

 

そして最後に、地上波でも思ったのですけど…お米は大切に食べようと思います。

 

Img_20190513_210122

パンフレットと映画館で販売されていた甲鉄城の親鍵モチーフのキーホルダー(大切にします)

 

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