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2014年10月16日 (木)

ホーリーランド⑫

加藤との闘いに決着がついても「終わらない」と呟いて、ユウはマサキの制止を振り切りそのまま闇へと消えていってしまいます。

原作にもあるこのシーンは、もう自分でも止めようがないといった感じの何かに取り憑かれたようなユウの瞳が強烈でした。そしてそれを彷彿とさせる石垣さんの瞳も凄まじかったです。

その後、自分を知ってる人間は全て敵...と誰かれ構わず攻撃を開始するのですが、それがついには“本物”と呼ばれる人々にも及んでしまいます。そうして忠告にやってきたマサキの先輩。この先輩役の下山を演じられているのが榊英雄さん。この方もまた独特のオーラを醸し出していてやはり役者に恵まれていると感じました。

それもさることながらホーリーランドというドラマは“大人世界と子供世界の狭間”という言葉のとおり全体的に大人の描かれ方が消極的に感じます。中でも特に金子修介総監督は(ホーリーランドは数人の監督の連作なのです)ユウの母親は顔が伏せられてもいましたし、だからこそ大人が登場したことによって(監督それぞれの考えがあるにしても)ユウの暴走した感がよく現れているというか(シンちゃんの入院先で母親がしっかり描かれていたのも然り)様子が違ってきた感がでてました。

先の忠告を始め、妹のマイちゃんからも懇願されてマサキはいよいよ本気でユウの暴走を止めにかかります。このあたりは(ついにきたか!)と興奮しました。あの弱々しかったユウが研鑽を積んで憧れだったマサキと対峙するという特別な状況。高架下で再会した2人のこれまでにない間合いや寂しげに流れてくる風の音のようなメロディなど...この辺りへのもってきかたや演出は全てが鳥肌ものでしたね。そしてやはり石垣さんと徳山さんの乗り移った感。先程も書いたようにイッちゃってるユウの目つきや、逆に冷静すぎるマサキの冷たい眼差し。でもどこかギラギラとしていて......

そして交わされる数々の胸に迫る言葉。

「僕を弄んだんですね!?」と叫ぶユウにマサキは言います「そうか、お前の世界ではお前だけが悲しくてお前だけが被害者なんだな…いいか神代、キズ一つなく生きてる人間なんていやしない、いないんだよ!」それでも聞く耳を持たず、妙な自信すらつけたユウはマサキに対し「あなたはトリックスターだ」と、揶揄します。ここはもう、それ言っちゃいますか?どれだけ自信をつけてしまったのよ?と思うわけですが、マサキはいたって冷静。「いくら言葉を交わしても無意味なら俺たちにはこれしかないぜ?」と、いよいよファイトポーズ。見ているこちらもアドレナリンがブワッと出ました。

そしてここでまた一つの見せ場があるのです。睨み合ってハイ喧嘩!...ではない、この二人だからこそそこに感じるものが。

不本意な形とはいえ拳を交えることに喜びすら感じているような、、、そんな想いが交互に語られます。特にマサキの「これだ、俺はこの瞬間を求めていた。しがらみのない純粋な空間...ここは俺とお前だけに用意された俺たちのホーリーランドだ」という語り。このドラマでの一つのクライマックスはまさにここといえる名シーンでした。

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