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2012年10月15日 (月)

銀河鉄道の夜⑨

3人が登場したあたりから宮沢賢治の世界に更に深く入り込んでいくような気がしました。


青年の「なにがしあわせかわからないです」という言葉から始まり、ジョバンニの嫉妬のような少女への思い。


そして少女が語る蠍の火にまつわる話し。「どうしてわたしはわたしのからだを、だまっていたちにくれてやらなかったろう」…漆黒の闇に浮かび上がる蠍の赤い火は、恐ろしげな雰囲気をまといながらも悲しいお話しでした。

そうしているうちに、やがて汽車はサウザンクロスに到着します。

汽車に乗る多くの人々の目的地である場所。3人もまた降りなければなりません。


僅かな間でも共に旅した人との分かれ……男の子は降りるのを嫌がります。少女も後ろ髪をひかれるような表情。けれど「天上へゆくとこなんだから」という青年について汽車を後にします。

このシーンを見ていると、現実世界の“袖摺り合うも他生の縁”ということを考えずにはいられません。まったく別の人生を歩みつつ今同じ場所にいる人々…何をどうしたって会わない人は会わないわけですから、どんな形であれ同じ場所にいるというのは不思議な巡り合わせなのかもしれませんね。。。


そして映画の中ではっきりと示される銀河鉄道の意味。死をむかえた人々を天上へと導く列車。


長い長い人々の列が南十字へと向かいゆっくりと進んでゆくのでした。

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