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2010年12月15日 (水)

【GOEMON】

数年前に紀里谷和明監督「CASSHERN」の紹介映像を見た時、不思議な映像だわ・・・と思いました。アニメでもなく完全な実写でもなく、でもそのどちらも融合させて更に何かをプラスしたような不思議な映像・・・。アクション色が強いような気がして見に行くまでには至りませんでしたが、心の中で気になる作品として保留となっていました。


しばらくたったある日、どこかで「結構よかった」という言葉を耳にしました。そして見るに至ったのです。結果、よかった・・・と私も思いました。


「GOEMON」はその紀里谷監督の作品です。前回作品のイメージがあったので期待して見ました。賛否両論あるようですが私としては大切な映画がまた一つ増えたという感じです。


まず何より、幻想的な映像が圧巻の一言でした。画面全体を彩る独特の色彩。・・・・・どこかでメイキングの様子を見たのですが、撮影時は普通に見えていたものが色をつけていくことによっていっきに別世界の雰囲気を醸し出してゆきます。この色使いこそがこの監督の素晴らしい個性であり才能ではないでしょうか。

照明のあてかたも、まるでレンブラントの光と影を思わせるような、、、暗躍する人々の闇の部分を際立たせているように感じました。北野武監督の北野ブルーが五感を刺激するように、全体の美しさに刺激を受けながら夢中で見ていました。劇中音楽も素晴らしかったです。

この、夢をそのままおこしたような映像をつくりあげているのがデジタル技術です。「CASSHERN」の三倍かかったとのことで、その作業の大変さを思うとため息が出るのですが、ただ、見ている側としては人物がスピードに乗るあたりなど時折「ん?」と感じる部分も正直ありました。でもそれが技術的なことでそうなのか、あえてそうしているのかは分かりません。私にはそのような部分も1つの‘味’に感じられて抵抗なく見られたからです。


ただしこれはどの作品でもそうというわけではありません。ああ、台無しだわ・・・という場合もあるので、それを感じずにすんだのは良かったです。

CGに関しては素晴らしい風景や建築物が出るたびに、どこからどこまでがそうなのだろうと考えずにはいられませんでした。


印象としては実際に存在しているのは出演者の方々と彼らが触れるもの、あと身の回りの空間のほんの僅かな部分だけのようにも思えましたが、よくみるとそうではないようにも...


DVDに入っていたプロダクションノートによると、なんと50%以上はセットを組んでいたとのことです。。。それを知ったとき、私はホッとすると同時にCGの〔負〕の部分についても考えずにはいられませんでした。

...昔、ハリウッド映画で代役として描かれたCGが危険な場面以外でも動きを見せ、役者本人がクレームをつけたというような話を聞いたことがあります。すべてをつくりあげることができる技術ならではの危険性かもしれません・・・役者さんもセットも何もなくても、あたかも現実のように映像をつくりあげることができる技術。

「GOEMON」でも超人的な映像が随所に見られました・・・。それはいっけんデジタルすべてのようにも見えます。けれど映画「CASSHERN」では、ラストのあたりでシンプルな実写の世界が出てきました。


それを見たとき凝縮された映像からふと解き放たれたような、自分の生きるリアルな世界の素晴らしさに気づかされたような感じがしました・・・。

ノートでは「(決められた予算内で具現化するとなるとデジタルが必要)」と監督の言葉がのっています。もしかしたら実写をとても大切にされている方なのかもしれません。。。

なんにしても、どれほど技術が進歩しようと「CASSHERN」「GOEMON」で、作り上げることはできないと思える役者の皆さんの素晴らしい表情を見ると、超人的な部分を補うCG、そして実際に組み上げられたものと、実はうまくバランスがとれている作品なのではないかと思いました。

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